石炭の時代展(8)油彩による力強い記録画

坑内の自然発火密閉(昭和36年3月)
山近剛太郎
1987(昭和62)年
油彩・画布
91.0×116.7cm
宮若市石炭記念館

山近剛太郎(1902-1990)は、1926(昭和元)年に貝炭鉱に入社。現場の指導、監督にあたり、後に貝島の重役として、特に防災体制の確立に貢献しました。
若い時から絵に関心のあった山近は、1947~49年頃、福岡で画塾を主宰していた創元会会員の洋画家・手島貢(1900-74)の下で学んでいます。
山近が本格的に炭鉱記録画に取り組むのは1970年、福岡県の直方市石炭記念館に飾る絵の依頼を受けたのがきっかけ。その後、宮田町石炭記念館(現・宮若市石炭記念館)の開館に伴う炭鉱記録画の作成にも関わり、油彩画の大作をいくつも手がけました。
本展に展示している「坑内の自然発火密閉(昭和36年3月)」は、昭和36年に坑内で自然発火が起こったときに、山近が所長代理として現場に出向き、一か月にわたり消火に従事したときの様子を描いたものです。

直方市石炭記念館にも多数展示
1972年まで坑内に下っていたという山近は、記録画を描く上で、炭坑の実情が伝わるよう、安全灯の光の当たり方や、道具、服装など細部にもこだわり、写実的に描くことを心がけていました。直方市石炭記念館には、油彩、水彩のほか、スケッチブックに描かれた下絵も展示しています。そこからは、緻密に計算されて描かれてる様子を見てとることができます。
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by nogataartmuseum | 2016-05-14 20:05 | 企画展