2016年 04月 27日 ( 2 )

次にご紹介するのは、昭和初期の直方の町の様子がよくわかる吉田初三郎の鳥瞰図です。
「直方市鳥瞰図(原画)」
吉田初三郎
1933(昭和8)年 
絹本着色 
77.0×177.0cm
直方市立図書館蔵

1933(昭和8)年、全国各地の鳥瞰図を数多く手がけ「大正広重」の異名を持つ絵師、吉田初三郎(1884-1955)氏の手によって描かれた直方市の鳥瞰図です。吉田氏の描く鳥瞰図は大胆なデフォルメが施されているのが特徴(富士山も見えます!)。原画は随分と色があせてしまっていますが、石炭輸送の要所であった直方駅の当時の様子や、街並みをうかがい知ることができ、見ていて飽きません。直方の町をご存知の方であれば、かなり面白いと思います。

参考:WEB地図の資料館→こちらで紹介されているものの原画を展示しています。
http://www.asocie.jp/oldmap/fukuoka/40033.html
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by nogataartmuseum | 2016-04-27 17:34 | 企画展

現在開催中の「石炭の時代展」(6月19日まで)の美術館展示物について、このブログでいくつか紹介していきたいと思います。
展覧会では4つのテーマで資料、作品を展示しています。一つ目のテーマは「炭鉱の歴史」。筑豊の炭鉱の歴史を年表でたどることができ、貴重な資料から昔の炭鉱の様子を視覚的に捉えることが出来ます。

はじめにご紹介するのは150名を超える人物が描かれ、江戸時代の炭鉱の様子を伝える貴重な絵馬です。
「大崎八幡社 炭鉱絵馬写し画」
伊勢光雲(模写) 
1966(昭和41)年 
紙本着色 
177.6×192.8cm
個人蔵・鞍手町歴史民俗博物館寄託
 
記録文学作家の上野英信(1923-1987)氏の呼びかけによって模写・復元された江戸時代の絵馬です。
元の絵馬は、1865(慶応元)年、大崎八幡社(佐賀県武雄市北方町)に、大崎村大副山炭鉱の繁栄と、そこで働く人々の安全を願って奉納されたもので、炭鉱の元請・稗田麟蔵らが、林石という旅の絵師に描かせました。大副山の麓にひろがる炭鉱町の当時の様子が克明に描き出されています。
上野英信氏が絵馬の模写による保存を呼び掛けたアピール文を読むと、彼のこの絵馬への思いが伝わってきます。一部をご紹介します。

炭鉱の古絵図が絶無というわけではありません。しかし、この大崎八幡宮の絵馬ほどすぐれた作品を私は知りません。畳三枚敷きほどの大きさをもつこの絵馬は、すでに芸術性そのものによって私たちを魅了します。しかもそれは架空の美の世界ではなく、一世紀昔の北方炭鉱の現実の世界です。巨視的な展望によって描き出された全体と細部は私たちの苦悶にみちた生活と労働の、おそるべき真実によって、みる者を圧倒せずにはおきません。

模写を手がけたのは伊勢光雲氏。制作時間は5ヶ月。絵の具の剥落や、度重なる補修などで、原画が予想以上にダメージを受けており、その復元には並々ならぬ努力を要したといいます。

炭鉱絵馬について(武雄市ポータルサイトより)
http://www.city.takeo.lg.jp/kyouiku/bunkazai/pages/bunkazai/bunkazai-439.htm
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by nogataartmuseum | 2016-04-27 11:03 | 企画展